建築家として目覚めた志向


「ラ・ターブルベール」。ハーブを植え、蜂と対話しながらお世話をする。そんな養蜂を営む尾形剛弥・尾形優子夫妻。屋号はフランス語で「みどりの(自然)のテーブル」を意味する言葉です。

 

2人はもともと建築家。「学生時代は自然保護関係の職業を目指していたんですけどね、ある野生生物の写真家に『1人くらい開発者側から自然を向け』といわれましてね」バブルの真っただ中、稼げや使えやの消費社会全盛期に働き始め、独立してからは、とりわけ環境に配慮した建築を目指していた。建材や塗料、接着剤などを独自に調べより負荷の無いものを選ぶ。国がOKを出しているものでも、アレルギーやアトピー等の疾患を持つ建て主さんが合わないものは使わない。時を経るごとにシックハウスや化学物質過敏症で悩む人たちは増え、どうやらそれらは住環境が原因になっていることが多いこともわかってきていた。仕事は毎日山のようで、眠らない街東京の渦の中、彼らも多分に漏れず昼夜問わず働いていた。言うまでもなく食生活は乱れ、ストレスフルな環境が続いていたという。それが元で彼らも体を壊すこととなる、働き蜂のようだった2人の建築家時代。それは、オーガニックやナチュラルという言葉がまだ、今ほど認知されていない25年ほど前のお話。