La table verteについて


La table Verte~ラ・ターブルベール~は、自然豊かな北海道石狩市花畔にある、養蜂ハーブガーデンです。

定置養蜂により、ミツバチたちは石狩湿原、石狩湾にかこまれた類い希な自然の中で春〜夏、旬の花々をのびのびと採蜜します。そしてLa table Verteでは、ただミツバチたちから蜜を分けてもらうだけではなく、ミツバチたちの蜜源となり、休憩所となる、ハーブガーデンを作っています。このハーブガーデンでは農薬を使わない、肥料も与えない、自然に近く、蜂の暮らしにに寄り添うことをめざしています。そうすることで、どこよりも、健康な蜂から集められる真に健康的な「ハチミツ」が生まれるとかんがえています。


私たちのこと

ラ・ターブルベールの商品は、私たち自身が「ほしいもの」「必要なもの」をトコトンまで突き詰めてできあがったものです。これらの商品を生み出す中で私たちは、ホンモノを追求すると、道は自然と開かれていくことを知りました。開かれていくと「あるがまま」になることも教えられました。「あるがまま」とは、できる限り自然に寄り添うこと。

 持続可能な循環型の農業や社会への取り組みは、わたしたちのテーブルの上からはじまるのだと感じているのです。

La table Verte~ラ・ターブルベール~は、元建築家の夫婦が営む、小さな養蜂ハーブガーデンです。小さいけれど、日本でここにしかない愛に溢れたハチミツ。北海道の石狩に根を下ろし蜂とともに暮らす2人の、現在に辿り着くまでの軌跡を取材記事にまとめました。是非お読みください。


取材:番-TSUGAI-

建築家として目覚めた志向

「ラ・ターブルベール」。ハーブを植え、蜂と対話しながらお世話をする。そんな養蜂を営む尾形剛弥・尾形優子夫妻。屋号はフランス語で「みどりの(自然)のテーブル」を意味する言葉です。

 

2人はもともと建築家。「学生時代は自然保護関係の職業を目指していたんですけどね、ある野生生物の写真家に『1人くらい開発者側から自然を向け』といわれましてね」バブルの真っただ中、稼げや使えやの消費社会全盛期に働き始め、独立してからは、とりわけ環境に配慮した建築を目指していた。建材や塗料、接着剤などを独自に調べより負荷の無いものを選ぶ。国がOKを出しているものでも、アレルギーやアトピー等の疾患を持つ建て主さんが合わないものは使わない。時を経るごとにシックハウスや化学物質過敏症で悩む人たちは増え、どうやらそれらは住環境が原因になっていることが多いこともわかってきていた。仕事は毎日山のようで、眠らない街東京の渦の中、彼らも多分に漏れず昼夜問わず働いていた。言うまでもなく食生活は乱れ、ストレスフルな環境が続いていたという。それが元で彼らも体を壊すこととなる、働き蜂のようだった2人の建築家時代。それは、オーガニックやナチュラルという言葉がまだ、今ほど認知されていない25年ほど前のお話。

建築家から養蜂家に

「住環境だけが全てではない」と、自分たちの食も見直し始めた。農薬、添加物、エネルギーの低い野菜…この世の中は一体どうしてしまったのだろう。しばらくして、夫婦は剛弥さんの生まれ育った北海道へ居を移した。しかし、場所が変わっても働き詰めの習慣が抜けず、間もなく彼は甲状腺を患ってしまう。「騙し騙しやってたんだけどね、手が震えて図面がかけなくなってしまってね」医師のすすめで、薬を服用し治療を試みた。大量の放射線を発する薬を飲み甲状腺を焼き切る放射線治療も受けた。「数値上は良くなっているはずなのに、体と頭と心がバラバラ。自分じゃないようでもの凄く苦しかった」このままではいけない。食べものはもちろんのこと、代替医療にヨガや瞑想、生活スタイルを根本から見直し、体にいいと言われることはとにかく試し模索していた。

 

ちょうどその頃「農的暮らしのレッスン」という土に近い暮らし方を学ぶ講座に一緒に参加していた仲間たちと「蜂を飼ってみないか?」という話が持ち上がった。建材として蜜蝋を求めた彼は、これに前のめりに取り組みはじめる。一方、夫の病を治癒する方法はないかと妻・優子さんは仕事の傍ら独自にハーブの勉強を重ねていた。そんな2つの道が一つになるかの如く、2人はアーユルヴェーダの古典書の中から「体調を整える効能別ハーブハチミツ」という概念に出逢うこととなる。必然とも言うべき、これらの好機が彼らをフィトテラピー(植物療法)と非加熱ハチミツという方向へと導いていった。自分たちの手で育て研究を重ねたハチミツは、彼の体をみるみるうちに蘇らせた。

大きな転機となった3.11

いとも簡単に建物が流されていく。人の命が自然の猛威によって奪われていく。そして放射性物質により自然が、人や動植物の暮らしが脅かされていく。

311が起きたのはいよいよ建築家の暖簾を下ろし、ちょうど農園を構える準備をしている頃だった。

居ても立ってもいられなかった2人は支援活動に奔走する。その流れは自然とそのまま自分たちのライフワークへと引き継がれていった。「子どもたちが土に触ることができないだなんてね、ここへきて土を触って涙を流すの。農園じゃなくてハーブガーデンにしようと思ったのはそれで」ガーデン作りを母子避難してきた親子らに手伝ってもらった。「触ってもOK、摘んでもOK。だってここは、ハーブと蜂と人と地球が繋がるための場所だから」優子さんは朗らかに笑う。

蜂の気持ちになってみる

蜂が一生に集められるハチミツはたったスプーン一杯分足らず。そもそも蜂蜜は、蜂たちの越冬のための食料だということを知っているだろうか。私たちはそのお裾分けを頂いている。

2人が選んだ養蜂は定置型。一年中同じ場所で蜂たちのお世話をするということだ。一気に花が咲いて一気に散ってしまう北海道で、より長い期間蜜を集められるように、蜜が多く花も長く咲くハーブを時期をずらして植えている。ハーブに農薬もかけないし、蜂が蜜を吸い終わったものは全て手摘みして乾かしハーブティーやアロマコスメにする。蜂たちが越冬するのに十分な食料を残すため、秋が深まれば蜜はとらず冬の間は閑散期となる。

 

生産性だけを考えれば、花蜜を求めて西へ東へ移動しての養蜂の方がいいに決まっているだろう。でも、蜂の気持ちになってみたらどうだろう?あんな小さな体に、長旅はきっとストレスだろうし、いつもアカシアの蜜だけを食べていたら飽きてしまいやしないだろうか?人間に当てはめたら、それは暴飲暴食というかも知れない。果たして、それは蜂にとって幸せなのだろうか。

住環境と食べもの。蜜蜂たちも私たち人間も一緒。2人の根底にある想いはぶれない。

「それに、それを全部とってしまったら、私たちは自然にお返しするものが何もないよね」彼らが考える私たち人間ができる役割、それがハーブを植えることに繋がっている。

 

「ワインのようにその年その年の気候や花の咲き方で、味や香りが全く違うの。年々良くなってる」考え方はワインと一緒。テロワールなはちみつ。それがラ・ターブルベールのはちみつなのだ。

 

一度、蜂になった気持ちで、花の薫りと蜜を味わってみてほしい。

ハーブの花々が咲き誇る、ラ・ターブルベールのガーデンで。